不動産投資コラム

Vol.15

不動産会社の裏事情

2013年3月28日
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「いや〜、不動産会社もひどいところあるね。

この前売られてた物件に指値を入れて購入したんだけど、自分より高い価格での買い付けがいくつか入ってたらしいんです。

でも、それが客付け会社経由のものだったらしく、自分がその元付会社に直に買い付けを入れたものだから、自分を優先したらしい。

いくら手数料のためとはいえ、やっぱり不動産会社ってそれはどうなの?って思ってしまうよね。」

これは、コラムの中でも何度かお話させていただいたのですが、

不動産会社が手数料の「両手」獲得を狙う

ために起こります。

このコラムをはじめて読まれる方のために具体例でお話いたします。


ある物件を1000万円で売却する依頼をA不動産会社が引き受けました。


A不動産会社は、この売買情報を他のB、C不動産会社にも公開します。


あるとき、B不動産会社が物件を900万円で購入したい、というお客様を見つけてきました。

仮にこれで売買が成立すると、仲介手数料を3%とすれば、通常、

B不動産会社:買主から900万円の3%である27万円

A不動産会社:売主から900万円の3%である27万円

をそれぞれ獲得します。


ところが、また別の例で、A不動産会社が直接お客様を見つけてきたとします。

ただ、今回は、お客様は500万円で物件を購入したいという希望です。


もし、このまま売買が成立したとすると、A不動産会社は、

買主から500万円の3%である15万円

売主から500万円の3%である15万円

の合計30万円を獲得することになります。


上記2つの例を比べて分かることは、

A不動産会社は、他の不動産会社経由での売買を成立させるよりも、自社で直接売買を成立させた方が手数料が多くなる

ということです。

ただし、重要なことは、売主は2番目の例では1番目と比べて400万円も損してしまっている、ということです。


そのため、不動産会社は、物件情報の公開をしていたとしても、他の客付け会社から物件照会が入っても、

「既に他からの申込が入ってしまいました。」

「売り止めになってます。」

「商談中です。」

「図面作成中です。」

などという建前で、すんなりと物件紹介しれくれないことが往々にしてあるのです。


これは、極端な例のように思えますが、冒頭の大家さんの体験談同様、不動産会社が手数料を少しでも多く獲得しようとするために現場では珍しいことではありません。


大手不動産仲介会社出身の当社スタッフの横山さんも、


「不動産会社が手数料の両取りを狙って物件紹介しないのは、常套手段です。

むしろ、会社や店舗の方針として現場の人間がそうせざるを得ないような状況もあります。」


と言います。


また、不動産会社の営業マンが、歩合給だとしたら、より手数料を稼げるような交渉をしてしまうのも無理はないのかもしれません。


とはいえ、このような不動産会社の裏事情があるからといって、その実態を把握するのは不可能です。


少なくとも言えることは、

「大手の不動産会社だから・・・。」

というような理由だけで売却依頼を任せない方がいい、ということです。


やはり、会社もそうですが、信頼のできる担当者に依頼すべきなのだと思います。


まずは、賃貸仲介や管理面などでその担当者の仕事ぶりを見て、それからはじめて売却の依頼をする、というのも一つの方法かもしれませんね。



★「大手だから安心・・・。」というような安易な理由で売却を依頼するのだけはやめておこう!




今回は物件の売却にかかる不動産会社の裏事情についてお話いたしました。


何かの参考にしていただければ幸いです。


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